音楽 - 他楽器 - エレキギター - 初心者がモデルを選ぶ2
※注意:ここで書かれているのはあくまで1つの意見であり、鵜呑みにする内容ではないことを留意
ギターを10年ぶりに再開してそろそろ1か月
今使っているギターは Bacchus BSH-850
「こういう色は無いだろうか」とXにポストしたところ、
Jun Waveさん
におすすめしてもらったもの
※Jun Waveさんは「DEI」さん 、D-Music Garden
とか、DTX界隈の人(プロフでも書かれている)
ただ最初に買ったギターは Playtech ST250 だった
つまり安ギターである
1か月のうちに初心者が2本を握ってみたということになるが、
ここで初心者目線から、安ギター vs ちゃんとしたギター を比較し、
初心者がどちらを買うべきかを話してみようと思う
比較
ネック側の弦高
安ギターの感想に必ず上がってくる要素
ただ多くの感想では「弦高」と言うだけで、どこのことを示していない
または、12フレットあたりだけを示している
個人的には、12フレットの弦高の重要性は理解したつもりだが、
ヘッド/ナット側1フレットの弦高の話もしてほしいと思う
BSH-850入手以前からもST250は弦高が高いとは思っていた
その証明は1フレットを押さえた時に半音ぐらい上がるかどうかでわかる
BSH-850 はそういうことが無い
更にこの弦高の差はローフレットでのコードの押さえやすさに影響する
弦が高いということは、押さえた弦と押さえていない弦の高さの差が大きくなるということ
押さえてはいけない弦に指が触れないようにするとき、この差が大きければ大きいほど指を立てる必要があり、押さえにくさ出る
弦高について
ここで弦高は低い方が良い、ような意見に至りがちだが一概にそうでもない
弦高が低くなると、フレットと弦のギャップが狭くなり、押さえるスピードや先の指を立て方が緩やかになり弾きやすくは確かになる
反面、弦がフレットに触れやすくなり、「ビビり」が起きやすくなる
この状況でビビりを回避するには、ピッキングの強さのセーブや
弦をなるべくフレットに近いところで押さえるなど多くの対策が必要になる
弦高が高いとこれが発生しにくくなるので、
そういった対策を考えることなく、ギターとして弾くことだけに専念できるようにはなる
「弦高を低くする」場合には、フレットとのギリギリの高さを狙うことになり、
量産に向かなくなってくるというのが、安ギターの弦高が高い主な理由だとは思うが
それが結果的に初心者向けとも言える構造になっているのではないか
チューニングの合いやすさ
ST250のほうは、弦を弾くと「高い状態である程度鳴って徐々に下がってチューニングに合う」という動きをする
BSH-850 はそういう動きなく、引いてすぐに一発で合う
これはペグ、ナットの違いによるのが大きな原因だが、
ST250の弦が「いつ張られたかわからない古い物」という可能性もある
弦が古いと金属が伸びて緩くなるので不安定になってくる
ちなみに2025/7頃に購入すると、Playtech
のコーティング弦がおまけでつけられた
弦が切れたときに交換する、と思っていたが、この記事を書いていると「購入直後に交換を推奨する」ということだったのかもしれない
そしてチューニングの頻度が BSH-850 のほうが本当に少ない
ST250は毎日弾くにしても毎回大ズレしていてチューニングに時間がかかった
BSH-850 はチューニングが維持されやすく、ズレがほとんどない
再度チューニングするにしても先述の理由もありすぐに合う
ちなみに Jun Waveさんに教えてもらったが、チューニングは練習中にもやると良い
他の弦への共鳴
ギターの弦はブリッジを経由して全て接触している
特定の弦を弾くと、他の弦が共鳴するということは必ず起こる
体感だが、ST250はこれが強く発生する
そのため、不要な弦をミュートするということを強く意識しないとリードの練習ができない
ミュートする技術がつく反面、ここは初心者に不向きと感じるところだった
ちなみに理由として、ブリッジには「トレモロブロック」という部品がついているのだが、
安ギターはここのコストが抑えられていて軽いらしい
故に共鳴しやすいのだと考えている
ピックアップの違い
これは本当に値段相応だと感じた
特にハムバッカーピックアップを選択したときに、ST250の音に低音が無く軽い
また、見た目で見るとBSH-850は3、4弦のみ芯が突出している
これは不良ではなく、3、4弦は音量が出にくいので、近づけることで音量を整えている、とどこかで見聞きした
本当は1弦も上がっていると良いらしい
ST250は平たんなので、この調整が無い
あとST250のハムバッカーピックアップが、私の個体の場合傾いているなど、
品質にやや不安がある
ノイズ量
これについては考えたことが無い・・・というぐらいには大きな差は無いということ
10年ぐらい前に握っていた安ギターである Legend LST-X
のときは、「ノイズがひどすぎる」という感想があった
それ故にノイズ量が少ないらしいハムバッカーピックアップに憧れたのだが、
最近の安ギターはそんなに強くノイズは出ず、品質向上を感じる
最初に買うのは1万円の安ギターか?10万ぐらいのギターか?
ここまで比較をしたが、正直なところ「ST250もギターとしては使えるので練習はそれなりに可能」というのが感想である
というのを踏まえて2つの提案をする
提案1:「続くかわからない」「予算が無いがとりあえずギターを始めたい」
安ギターから初めて良いと思う
私はPlaytechを握ったのでそれをおすすめするが、
1万円代ならどれも同じような作りではあるのでは
飽きずに続いている、予算がある程度出てきて買い替えの目途がついた
というときに、次のステップに10万円台を買うと良いと思う
安ギター何本も、はどうなのだろう
テレキャスターなど形式が変われば音も変わるが・・・
提案2:「予算はある程度見積もっている」
10万円台のギターからスタートで良いのでは
ただ、途中で述べた
弦高が影響していきなり意識することが多くなり難しく感じる
ことが懸念点ではある
更に高額のギターは?
国産10万円台でも十分なクオリティで、人前にも持っていけそうな見た目をしている
ここで、初動でいきなり20万円台以上 (Fender上位や、Momose製
など)を買うのはどうかというところ
自身がミュージシャンの道を進み、ギターが必需品となる
脱落は許されない
ギターに飽きるということは生命にかかわる、という状況の場合である
ギターの道を生き抜くことを覚悟した道を進もうとしているなら、
初動でプロ向けのギターを選ぶことは間違いではないと思う
買い替えも少なくなって結果的に経済的にもなるはず
勘違いしてはいけないのは、このケースは「気持ち」の範囲ではないということ
「他の稼ぎがあるが、自身はこれぐらいの覚悟を持ってやろうとしている」というケースではない
ただ憧れであり、自身は特にそれが無いといけない状況に無い(趣味である)
初動でこの金額は危険であると思う
例えば、「ギターを買えばあの『ライラック』を弾ける」というような、
有名な曲を人前に披露できるようになる、という安直な考えだけの場合は本当にやめた方がいい
いくつか最初の指標を示してみる
これらの要素は本当に基礎の部分だが、ギターはこの基礎でさえ「1か月あっても難しい」ところがある
なお個人差はあるので、「1か月」という数字もアテにはならない
これを見て、「せっかくギターを握るのに1か月もそんなことだけやるのはつまらない」と感じる場合は、
いったん安ギターで自身の覚悟を試してみることをおすすめしたい
- 開放で1~6弦を引いたときに音に感動できること
-
ドレミファソラシドと音階を弾くだけでも楽しく思えること
- 日に日に素早く弾けるようになると成長を感じて楽しいと思えること
- 最初は音が変わるときに音が途切れがち、音の途切れ無く連続して弾けているように聞こえると上達を感じられてうれしいと感じること
- 更に「かえるの歌」「チューリップ」が弾けるだけでもうれしいと感じられること
-
ローコード (Cとか)を1つ覚えるたびに感動できること
- 特にG、Fは高難易度だが、これができるようになることに感動できること
- パワーコードでさえ、音の力強さに感動できること
-
ブリッジミュートで音の出方の違いに感動できること
- そのほかの奏法でも音の違いに感動できること
- ある程度のBPMでコードチェンジが「雰囲気」できるようになると嬉しく感じられること
10万円台と20万円台のギターに差を感じられない場合
音、弾きやすさともに高額ギターのほうが良い・・・とも限らない
音は好みだし、弾きやすさは人による
「誰かが良いと言っていたから」はあまり参考にならない
店頭で2つの価格帯のギターを試奏し、感覚に大差を感じない場合は、
むやみに高額なギターにするのは危険であると思う
ちなみに、ギターはハンドメイドであることが多く「工芸品」の側面もある
金額は品質を示すのはある程度確かだが、高額だからといって必ずしも「あなたにとって良い」とは言えない、と思っている
締め
いろいろ述べたが、経験1か月の初心者の意見であることを再度示しておきたい
ただ、こういった意見は多くがプロによる意見であり、
「マジの初心者目線」
というのは殆ど無いと思ったために記事にした
ギター選びの参考になればと思う